大倉陶園プレミアムサロン工程

花暦12ヶ月 12月「クリスマスローズ」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 12月「クリスマスローズ」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
12月「クリスマスローズ」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










デザイン前の習作。

様々な品種があるクリスマスローズ。多くのスケッチの中から今回のデザインに使用する品種を決定します。



デザイン画の完成。

絵柄には2種類のクリスマスローズが選ばれ、それぞれの特徴を生かした配置がされています。 この絵紙をもとにペインターが制作します。




素材

製作工程

素材




絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。
クリスマスローズの特徴的なしべを、爽やかなグリーンで表現します。



焼成後、2回目の絵付けをします。
1回目よりもさらに細かく、色調豊かに描き込みます。グラデーションがかった薄い花びらを丁寧に仕上げます。




ソーサー手描き工程
ソーサーには控えめな蕾がひとつ。雪玉のように丸く可愛らしい姿が、繊細な茎から伸びています。


カップ手描き1回目

カップ手描き2回目


ソーサー手描き1回目

ソーサー手描き2回目








カップとソーサーに金彩を施し焼成し、「クリスマスローズ」の完成です。






花暦12ヶ月 11月「紅葉遊び」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 11月「紅葉遊び」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
11月「紅葉遊び(もみじあそび)」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










「紅葉遊び」のためのスケッチ。

秋の自然の主役は、花ではなく紅葉した木々たち。
クリスマスも間近です。紅葉した葉を花に見立てて、美しいリースのようにデザインしました。



カップの内側に描くモチーフのアイデアスケッチ。

いくつかのデザインから、ススキを束ねて作られたユーモア溢れるフクロウに決定しました。



絵紙(デザイン画)の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。

花暦12ヶ月シリーズ11月「紅葉遊び」は、5月「花冠」と対になるデザインです。2つを並べたときのバランスも考えて配置します。

「花冠」商品ページはこちら




素材

製作工程

素材




まず、カップに漆蒔きを施します。
漆蒔き(うるしまき)とは、漆(現在は合成漆)を接着剤として絵具を均一に定着させる方法です。気候などにも左右されやすい、熟練の経験が必要な技法です。

蒔きの工程①
漆の上に絵具の粉を蒔きます。

※写真は、グリーンを使用した別の商品の工程ですが、11月「紅葉遊び」も同様の工程になります。




蒔きの工程②
筆や綿で軽く擦りながら丹念に染み込ませ、均一にならします。







蒔きの工程③
写真右:絵具を蒔く前の、漆を塗った状態
写真左:絵具を蒔き終わった状態。
この後マスキングを剥がし、絵具の際を綺麗に仕上げ、一度焼成を行います。



カップ手描き工程①
手描きの工程に入ります。内藤デザイナーの絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。

デザインと同じ絵になるように、色々な角度からよく見比べながら描き進めます。




カップ手描き工程②
1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。ススキの穂の部分は特に細かく描き込んでいきます。

ドングリの帽子でできた丸い目が描かれ、一層かわいらしくなりました。



ソーサー手描き工程①
カップと同じく、ソーサーもアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。




ソーサー手描き工程②
1回目の焼成の後、さらに描き込んでいきます。

1回目よりも色の濃さや鮮やかさが増しています。細部の描写を仕上げたら2回目の焼成に進みます。


カップ手描き1回目

カップ手描き2回目


ソーサー手描き1回目

ソーサー手描き2回目








カップとソーサーに金彩を施し焼成し、「紅葉遊び」の完成です。






花暦12ヶ月 10月「白桔梗」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 10月「白桔梗」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
10月「白桔梗」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










岡染め用のスケッチ
岡染め技法で作り出す大倉陶園ならではの美しい紺青。原画の段階では墨一色で描きます。

※写真は「桜灯」とは別のスケッチです。




絵紙(デザイン画)です。
桔梗の花の位置や数など数回の修正を経て完成しました。

この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。
カップの絵柄はペインターが描きやすいよう展開図となっています。




素材

製作工程

素材




アウトラインを写し取ったあと、マスキングを施します。



濃淡をつけながら筆で絵具をのせた後、スポンジでたたきグラデーションを整えます。

岡染めの絵具には「酸化コバルト」と呼ばれる顔料絵具を使用します。粉状の顔料を油で溶きペースト状にします。




霞みがかった夜空のグラデーションを作ったら、半月のマスキングを剥がします。



上からさらに叩き、雲に浮かぶ月を表現します。




花の部分も同様にマスキングを剥がし、筆で描き込みます。

岡染めは高温で焼成することでぼけ足が生まれる技法です。焼成後の顔料の滲みを計算し、この時点ではくっきりと精緻に描きます。



カップにも同様に絵付けをし、月明かりに佇む桔梗をしっとりと描きます。



コバルトは焼成前は黒色ですが、1460℃の高温で焼成することで青く美しく発色します。精緻に描き上げた桔梗は焼成時に溶けた釉面に顔料が染み込み、柔らかな表情に変わります。

ソーサー焼成前

カップ焼成前







縁まわりなどに金彩を施し焼成し、「白桔梗」の完成となります。






花暦12ヶ月 9月「葡萄」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 9月「葡萄」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
9月「葡萄」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。








デザインラフスケッチ

「葡萄」の実と葉のバランスを見ながらイメージを膨らませ描きます。
内藤デザイナー自身にも葡萄にまつわるエピソードが。
「葡萄の木が我が家にも1本あります。春の若葉の芽吹きから花が咲き、大きな葉陰に実をつけて行きます。色付き始めると人間が食べるのが先か鳥が先かと毎年知恵比べになっています。秋風が吹くころ、実は熟して家から離れていても香りがしてくると摘み取ってジャムを作るのが楽しみです。笊4、5杯の実から、指先が紫色になりながら種を取って準備します。秋も終わり頃、葡萄棚に残っているぶどうが貴腐葡萄のようになって茶色の葉の下についています。また来年も実をつけてくれることを願い豊饒に感謝する一年です。」(内藤)


デザイン原画の制作

コロンとした実を愛らしく描きます。
伸びやかなつるに実る果実、表情豊かな葉が美しく表現されています。


デザイン原画の完成

「甲州を訪れると葡萄棚のスケールの大きさに見とれています。そして見上げる葡萄の房に豊穣の喜びが込み上げてきます。葡萄の種類も多く、店先ではその色合いや形でも楽しませてくれます。今回、碗皿には葡萄棚にたわわに実る景色を描いています。」(内藤)




貼り見本

実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。

「カップ正面には、熟した葡萄の房を、カップ裏正面には熟す時を待つ葡萄を描き、果実の持つ熟成への喜びを表現しています。」(内藤)

この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



カップ手描き工程①

あらかじめ縁やハンドルに金線を施します。
絵柄のアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。




カップ手描き工程②

1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。焼成品の色の出方、全体の雰囲気を確認し、さらに描き込んでいきます。


カップ1回目焼成前

カップ2回目焼成前


ソーサーも同じく手描きを施します。

ソーサー手描き工程①

ソーサー手描き工程②




金たたき

縁の柔らかな金彩模様は「金たたき」という技法で金付けをします。
金液をスポンジに染み込ませ、軽く縁をたたくように丁寧にのせていきます。



金液をといたパレット



同じくソーサーの縁にも金たたきを施します。
花弁の部分にはマスキングを施し、金彩が被らないようにしています。







焼成し、「葡萄」の完成となります。






花暦12ヶ月 8月「秋の七草」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 8月「秋の七草」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
8月「秋の七草」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










「秋の七草」に使用したスケッチ。

「大倉陶園の軽井沢店でお店番をしている時、路地の裏にある小さな花屋さんで見つけた秋の野草を大倉陶園の花瓶に贅沢に生けて店頭に飾ることが楽しみでした。花は8月も半ば過ぎる頃に出てくるのですが、今日は出ているかなとお店を何度も覗いたものです。(内藤)」



春の七草が、七草粥にして無病息災を祈るものに対して、秋の七草はその美しさを楽しむものと言えます。

「野草のしっかりとした姿に、都会の花屋さんで見るどの花々よりも凛とした美しさが感じられ、自然にある花々の力強さに驚かされました。(内藤)」



貼り見本

実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。

花暦12ヶ月シリーズ8月「秋の七草」は、2月「春の七草」と対になるデザインです。2つを並べたときのバランスも考えて配置します。

「春の七草」商品ページはこちら



絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



まず、カップに漆蒔きを施します。
漆蒔き(うるしまき)とは、漆(現在は合成漆)を接着剤として絵具を均一に定着させる方法です。気候などにも左右されやすい、熟練の経験が必要な技法です。

蒔きの工程①
漆の上に絵具の粉を蒔きます。

※写真は、グリーンを使用した別の商品の工程ですが、8月「秋の七草」も同様の工程になります。




蒔きの工程②
筆や綿で軽く擦りながら丹念に染み込ませ、均一にならします。







蒔きの工程③
写真右:絵具を蒔く前の、漆を塗った状態
写真左:絵具を蒔き終わった状態。
この後マスキングを剥がし、絵具の際を綺麗に仕上げ、一度焼成を行います。



カップ手描き工程①
手描きの工程に入ります。内藤デザイナーの絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。

毛束がほとんど無いような極細の筆で細部にわたって色をのせていきます。




カップ手描き工程②
1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。デザイン画に近付くようにさらに描き込んでいきます。



ソーサー手描き工程①
カップと同じく、ソーサーもアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。




ソーサー手描き工程②
1回目の焼成の後、さらに描き込んでいきます。

今回のような器の全周に絵が入るデザインは、描き終えた部分に触らないように別の箇所を描かなくてはならないため、難しい構図です。


カップ手描き1回目

カップ手描き2回目


ソーサー手描き1回目

ソーサー手描き2回目








カップとソーサーに金彩を施し焼成し、「秋の七草」の完成です。






花暦12ヶ月 7月「クレマチス」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 7月「クレマチス」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
7月「クレマチス」のデザインが生まれるまでの
過程をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










デザインスケッチ

デザインの元になるスケッチです。


日本のガーデニングでも様々な品種が見られるようになったクレマチス。

青い「カザグルマ(風車)」は、8枚の花弁が特長の日本自生のクレマチスです。

夏が近くなると、大倉陶園敷地内でもクレマチスが咲き始めます。



こちらは「ハンショウヅル(半鐘蔓)」のスケッチ。
ハンショウヅルはClematis japonicaという学名のとおり、日本原産のクレマチスの仲間です。




カップ中央のデザイン

6枚の花弁をつけた淡い紫色のクレマチスを描きました。
優しい色合いの様々な品種のクレマチスをデザインして、ひとつのカップ&ソーサーにしていきます。

「様々なクレマチスが咲くパーゴラ(つる棚)の下で過ごしているかのような、美しい庭園の空間をカップ&ソーサーに表現しました。」(内藤)



貼り見本

実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



ソーサー工程・手描き

1回目の手描き工程です。
絵柄のアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。

特徴的な細かいしべを丁寧に描きます。



ソーサー工程・手描き

1回目の手描きが終わりました。
この後一度焼成し、マスキングを施してから「たたき」の工程に入ります。




「クレマチス」のソーサーは、こもれびをイメージした柔らかなグラデーションを表現するために、「たたき」の技法を用いています。

たたき①:筆で絵の具をのせる

たたき②:スポンジでたたく

①と②を何度も繰り返し、柔らかなグラデーションにしていきます。
赤く塗られている箇所がマスキングされた所です。花の部分のみマスキングし、葉と蔓はそのまま上からたたいて背景に馴染ませます。
こうすることで花の部分のみを浮き立たせています。
たたきが終わった後は、マスキングをはがして焼成します。




1回目ではラフのように描いていた花を細かく描き込んでいきます。

花びらの薄い質感などを繊細に描きます。



たたきと手描きが終わりました。
最後に縁に金彩を施して焼成します。


手描き1回目→たたき→手描き2回目 と少しずつ仕上げます。
1 2 3






カップにも手描きをしていきます。



手描き1回目

手描き2回目





カップとソーサーで様々な品種のクレマチスが楽しめるカップ&ソーサーの完成です。




花暦12ヶ月 6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










デザインストック

手前の原画が今回使用された「ピエール・ドゥ・ロンサール」です。

大倉陶園の敷地内の庭には、多くの薔薇が咲いています。
「『クイーンエリザベス』などは長く植えられ、今もかわらずに高貴な姿で楽しませてくれます。『ピエール・ドゥ・ロンサール』を筆頭に品種も増えて、色も形も色々に咲き誇っています。」(内藤)

このスケッチには実際に大倉陶園の庭から摘んで描いたものも何点か含まれているそうです。



今回はモチーフとならなかった薔薇。
それぞれの特徴が捉えられ、その薔薇の個性が愛らしく描かれています。




デザイン原画

白に近い淡い色合いから濃いピンク色へ、繊細に移りゆく様が美しく表現されています。

「大倉陶園では従来、薔薇と言えば『剣弁高芯咲き』でした。入社当時にはこのスタイルを描くことが多かったです。花暦12ヶ月では『カップ咲き』を選び、これからの時代にこの形状の薔薇が“大倉陶園の薔薇”と言われるように願いを込めて描きました。」(内藤)

内藤デザイナーの自宅にも「ピエール・ドゥ・ロンサール」が植えられ、親しみ深い薔薇の一つのようです。



貼り見本

実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



茶色のように見える絵具が、ピンク色に使用する絵具です。焼成前と焼成後で色彩が変わるため、ペインターはその変化を予測して描きます。




カップ手描き工程①

あらかじめ縁やハンドルに金線を施します。
絵柄のアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。



カップ手描き工程②

1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。焼成品の色の出方、全体の雰囲気を確認し、さらに描き込んでいきます。



カップ1回目焼成前

カップ2回目焼成前


ソーサーも同じく手描きを施します。

ソーサー手描き工程①

ソーサー手描き工程②




金たたき

縁の柔らかな金彩模様は「金たたき」という技法で金付けをします。
金液をスポンジに染み込ませ、軽く縁をたたくように丁寧にのせていきます。



金液をといたパレット



同じくソーサーの縁にも金たたきを施します。
花弁の部分にはマスキングを施し、金彩が被らないようにしています。







焼成し、「ピエール・ドゥ・ロンサール」の完成となります。






花暦12ヶ月 5月「花冠」 製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 5月「花冠」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
5月「花冠(はなかんむり)」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。












デザイン前の習作

習作をもとにデザイン原画を制作します。
社内に自生しているシロツメグサを摘み、描きました。




習作

スケッチブックに伸び伸びと描かれています。



デザインストック

総手描きのものや、色違いも。花暦12ヶ月には漆蒔きと組み合わせたシロツメグサのデザインが採用されました。



貼り見本
実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。



絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



まず、カップに漆蒔きを施します。
漆蒔き(うるしまき)とは、漆(現在は合成漆)を接着剤として絵具を均一に定着させる方法です。気候などにも左右されやすい、熟練の経験が必要な技法です。

蒔きの工程①
漆の上に絵具の粉を蒔きます。

※写真は、グリーンを使用した別の商品の工程ですが、5月「花冠」も同様の工程になります。




蒔きの工程②
筆や綿で綿で軽く擦りながら丹念に染み込ませ、均一にならします。







蒔きの工程③
写真右:絵具を蒔く前の、漆を塗った状態
写真左:絵具を蒔き終わった状態。
この後マスキングを剥がし、絵具の際を綺麗に仕上げ、一度焼成を行います。



手描きの工程に入ります。
白い花を白磁の上に描き出すことは素描技術が必要です。
シロツメグサの花部分のみでも、絵具はグリーン系~ピンク系を約10色程使用しています。




カップ手描き工程①
内藤デザイナーの絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。
アウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。




カップ手描き工程②
1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。焼成品の色の出方、全体の雰囲気を確認し、さらに描き込んでいきます。



ソーサー手描き工程②
カップと同じく、ソーサーもアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。




ソーサー手描き工程②
1回目の焼成の後、さらに描き込んでいきます。



ペインターのデスクに置かれた四つ葉のクローバーと、何とも珍しい五つ葉のクローバー。
大倉陶園の敷地内で見つけて摘んできたものだそうです。
実物も観察しながら描きました。





2回目の焼成前
「花冠」の手描きの工程では2~3回ほど焼成を行います。












カップとソーサーに金彩を施し焼成し、「花冠」の完成となります。






花暦12ヶ月 4月「桜灯」 製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 4月「桜灯(さくらあかり)




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
「4月桜灯」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










桜のデザインストックの一部

大倉陶園では桜をモチーフに数々の作品を製作して参りました。内藤デザイナーも多くの桜の作品を手掛け、デザイン前の習作や過去の作品の原画など、桜のデザインストックが豊富に残っています。






桜のスケッチ拡大



岡染め用のスケッチ
岡染め技法で作り出す大倉陶園ならではの美しい紺青。原画の段階では墨一色で描きます。

※写真は「桜灯」とは別のスケッチです。




絵紙の制作
制作ソフトを用い、スキャンしたデザイン原画をカップ&ソーサーに配置します。
その際に岡染めの表現に合わせ、絵柄をぼかし、色味をブルーに変換し、焼成後の完成イメージに近づけます。




貼り見本
実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。
カップの絵柄はペインターが描きやすいよう展開図となっています。




素材

製作工程

素材



念紙でアウトラインを写し取ったあと、マスキングを施します。




念紙





絵紙に合わせて、ソーサー一面に濃淡をつけながら筆で絵具をのせた後、スポンジでたたきグラデーションを整えます。



岡染めの絵具には「酸化コバルト」と呼ばれる顔料絵具を使用します。粉状の顔料を油で溶きペースト状にします。




奥に咲いている花から一つずつマスキングを剥がし、地道に描き込んでいきます。



筆で描きながら、スポンジで軽くたたき、一つ一つ丁寧に陰影を描いていきます。





最後にしべを描き込みます。
焼成後の顔料の滲みを計算し、くっきりと精緻に描きます。



カップにも360度描き込み、器一面に満開の桜を咲かせます。



コバルトは焼成前は黒色ですが、1460℃の高温で焼成することで青く美しく発色します。また、精緻に描き上げた桜は焼成時に溶けた釉面に顔料が染み込み、柔らかな表情に変わります。

ソーサー焼成前

ソーサー焼成後


焼成前(拡大)

焼成後(拡大)


カップ焼成前

カップ焼成後







縁まわりなどに金彩を施し焼成し、「桜灯」の完成となります。






花暦12ヶ月 3月「ミモザ」 製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 3月「ミモザ」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
「3月ミモザ」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










デザイン前の習作

「小さい頃ミモザを見かける事はあまりなく、洋館の中に咲くものだと思っていました。ミモザの咲く家は可愛らしい家族に包まれているようで、ミモザの咲いている家の前を通る時、幸せのお裾分けをいただき少し嬉しくなるものでした。」(内藤)




習作をもとにデザイン原画を制作します。様々な枝ぶりのミモザを描き分けます。

「春の風に揺れるミモザを描いています。」(内藤)




デザイン原画拡大
精緻ながら花のポンポン状の柔らかな表情を感じさせるタッチです。




貼り見本
実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



様々な太さの絵筆を駆使し、小さなミモザのディテールを丁寧に描き込んでいきます。




カップにも同じく描き込んでいきます。


カップ1回目焼成前

カップ2回目焼成前



金たたき
縁の柔らかな金彩模様は「金たたき」という技法で金付けをします。
金液をスポンジに染み込ませ、軽く縁をたたくように丁寧にのせていきます。



同じくカップの縁にも金たたきを施します。








ハンドル等にも金彩を施し焼成し、「ミモザ」の完成となります。






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