花暦12ヶ月 6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」製作工程



内藤忠治コレクション

花暦12ヶ月 6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」




素材

デザイン制作工程

素材

「花暦12ヶ月」シリーズは、
大倉陶園デザイナー内藤忠治が一貫してデザインを手掛けます。
6月「ピエール・ドゥ・ロンサール」のデザインが生まれるまでの
過程の一部をご紹介致します。





内藤 忠治(ないとう ちゅうじ)

1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。










デザインストック

手前の原画が今回使用された「ピエール・ドゥ・ロンサール」です。

大倉陶園の敷地内の庭には、多くの薔薇が咲いています。
「『クイーンエリザベス』などは長く植えられ、今もかわらずに高貴な姿で楽しませてくれます。『ピエール・ドゥ・ロンサール』を筆頭に品種も増えて、色も形も色々に咲き誇っています。」(内藤)

このスケッチには実際に大倉陶園の庭から摘んで描いたものも何点か含まれているそうです。



今回はモチーフとならなかった薔薇。
それぞれの特徴が捉えられ、その薔薇の個性が愛らしく描かれています。




デザイン原画

白に近い淡い色合いから濃いピンク色へ、繊細に移りゆく様が美しく表現されています。

「大倉陶園では従来、薔薇と言えば『剣弁高芯咲き』でした。入社当時にはこのスタイルを描くことが多かったです。花暦12ヶ月では『カップ咲き』を選び、これからの時代にこの形状の薔薇が“大倉陶園の薔薇”と言われるように願いを込めて描きました。」(内藤)

内藤デザイナーの自宅にも「ピエール・ドゥ・ロンサール」が植えられ、親しみ深い薔薇の一つのようです。



貼り見本

実際に見える配置を考慮し、デザインを決定します。




絵紙の完成です。
この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。




素材

製作工程

素材



茶色のように見える絵具が、ピンク色に使用する絵具です。焼成前と焼成後で色彩が変わるため、ペインターはその変化を予測して描きます。




カップ手描き工程

あらかじめ縁やハンドルに金線を施します。
絵柄のアウトラインを写した後、絵具を筆でのせていきます。



カップ手描き工程

1回目の焼成の後、再度絵付けを行います。焼成品の色の出方、全体の雰囲気を確認し、さらに描き込んでいきます。



カップ1回目焼成前

カップ2回目焼成前


ソーサーも同じく手描きを施します。

ソーサー手描き工程

ソーサー手描き工程




金たたき

縁の柔らかな金彩模様は「金たたき」という技法で金付けをします。
金液をスポンジに染み込ませ、軽く縁をたたくように丁寧にのせていきます。



金液をといたパレット



同じくソーサーの縁にも金たたきを施します。
花弁の部分にはマスキングを施し、金彩が被らないようにしています。







焼成し、「ピエール・ドゥ・ロンサール」の完成となります。