内藤 忠治(ないとう ちゅうじ) 1975年に大倉陶園デザイナーとして入社し、デザイン室長などを経て、現在デザインアドバイザー、大倉陶園アートチャイナペインティングスクール講師を兼任しています。 |
岡染め用のスケッチ 岡染め技法で作り出す大倉陶園ならではの美しい紺青。原画の段階では墨一色で描きます。 ※写真は「桜灯」とは別のスケッチです。 |
絵紙(デザイン画)です。 桔梗の花の位置や数など数回の修正を経て完成しました。 この絵紙をもとにペインターが器に描いていきます。 カップの絵柄はペインターが描きやすいよう展開図となっています。 |
アウトラインを写し取ったあと、マスキングを施します。 |
濃淡をつけながら筆で絵具をのせた後、スポンジでたたきグラデーションを整えます。 岡染めの絵具には「酸化コバルト」と呼ばれる顔料絵具を使用します。粉状の顔料を油で溶きペースト状にします。 |
霞みがかった夜空のグラデーションを作ったら、半月のマスキングを剥がします。 |
上からさらに叩き、雲に浮かぶ月を表現します。 |
花の部分も同様にマスキングを剥がし、筆で描き込みます。 岡染めは高温で焼成することでぼけ足が生まれる技法です。焼成後の顔料の滲みを計算し、この時点ではくっきりと精緻に描きます。 |
カップにも同様に絵付けをし、月明かりに佇む桔梗をしっとりと描きます。 |
ソーサー焼成前 |
カップ焼成前 |
縁まわりなどに金彩を施し焼成し、「白桔梗」の完成となります。 |